山形県飽海郡遊佐町 「十六羅漢岩」

場所:山形県飽海郡遊佐町吹浦字西楯
料金:見学・駐車場無料
交通:・JR…羽越本線「吹浦駅」から車で5分
   ・車 …山形自動車道「酒田みなとIC」から、国道7号線秋田方面へ20分
詳細:https://www.yuzachokai.jp/view/jurokurakaniwa


山形県酒田市から国道7号を北上する途中で吹浦バイパスを通らずに国道345号へ入ってすぐのところにひっそりと構える観光スポットです。ひっそりとしたスポットでしたが写真の通り立派な駐車場が無料で完備されていて駐車場脇には食事処も用意されています。午前8時ころに散策したためか誰にも会いませんでしたがもしかしたら食事処があるくらいですし普段は賑わっているのかもしれません。

海岸に見える岩は鳥海山(ちょうかいざん)の噴火によって流れた溶岩です。ここには珍しい彫刻があります。奇岩怪岩に富んだ溶岩の石を利用して巧みに掘られてあるのです。いつ、だれが、何のために、この石を掘ったのでしょうか。
像の彫刻を発願したのは、吹浦海禅寺21世住職の石川寛海です。元治元年(1864)、寛海和尚は幕末の混乱期に苦難する吹浦民衆の姿を見、また、漁村である吹浦では多くの漁師が日本海の荒波によって命を失うこともあり、民衆の福や徳、除災、海難者の供養と海上安全を祈願し、羅漢像の建造を決意します。石工の手で5年の歳月をかけて明治元年(1868)に十六羅漢岩を完成させました。その後、羅漢像の完成を見届けた寛海は、明治4年(1871)71歳の時、海に身を投げ入滅をはたしました。
海岸にたたずむ羅漢岩は、寛海の想いを受け継ぎ今も人々を見守り続けています。
——–現地案内板より

現地の構成は国道345号を挟んで内陸側が駐車場と売店エリア、海岸側が展望台がある奇岩エリアになっていて歩道橋でつながっています。歩道橋の時点で階段があるため2017年の時点ではバリアフリーではありませんでしたが階段は短いため車椅子必須でなければお年寄りでも大丈夫だと思います。展望台からは海の美しい景色が拝めますが十六羅漢岩までは距離があるので岩を拝むには展望エリアから階段を降りてゆくことになります。

展望台から階段を降ると右エリア左エリアへ別れていますが、掲載している写真はすべて左エリアのものです。現地案内板にもありますが、右エリアの方は特に歩道が整備されているわけではないので歩きづらく今回は割愛してしまいました。水産庁による”未来に残したい漁業漁村の歴史文化財産百選”に選出されていますが特に像そのものについては維持のための修繕などはされていなく、また日本海海岸という立地ということもあり崩壊や岩の風化が少しずつ進行しているのですが「形あるものはいつか無くなります、雨風や並で風化してゆくのは自然なことでしょう」という住職の考えから自然の流れに任せる方針のようです。確かに現地で見てみると、それが一番良いと思いました。

今後十数年で大きく変化するようなものではありませんが、機会があれば早めに訪れて頂きたい場所です。

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